【徹底比較】HSKと中国語検定の違いとは

中国語の勉強をしていると、その中国語力の証明のため、あるいは目標を明確にするために検定試験を受けようと考える人も多いかと思います。ただ、中国語の資格・検定試験というと、中国語検定の他にもHSKという資格検定もあり「中国語検定とHSKは何が違うの?」となりますよね。

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どちらも中国語力を証明する資格という点では同じですが、それぞれの試験の特徴、違いもありますので、この記事では中国語検定とHSKの、それぞれの内容を紹介していきますね。

HSKとは?

hsk

HSKは「汉语水平考试=中国語レベルテスト」をピンインという読み仮名表記したときの(Hànyǔ Shuǐpíng Kǎoshì)頭文字をとったもので、以下のような特徴があります。

  • 世界中で実施されている国際的な中国語資格。
  • 中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)直属の機関である中外語言交流合作中心(中外言語交流協力機構)が主催し、中国政府が認定する資格。
  • 世界で行われている中国語の検定試験で最も受験者が多い。(全世界で875か所以上、118の国と地域で実施され、広く認知されている。)そのため、HSKの成績報告は、中国国内だけでなく、日本国内、そして世界中で公的証明として活用することができる。

HSK紙試験のサイトはこちら→https://www.hskj.jp/

HSKネット試験のサイトはこちら→https://hskibt.jp/

HSKについてより詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

中国語検定とは?

中国語検定

中国語検定は日本国内で開催されている、一般財団法人日本中国語検定協会が主催する中国語に関する検定試験(略称は中検)で、以下の特徴があります。

  • 中国語の正確な知識を問う問題が出題されるため、日本語と中国語の相互翻訳力が求められる。
  • 日本国内ではHSKの次に受験者数が多い試験。(2018年はHSK34,018人、中検29,935人)


中国語検定のサイトはこちら⇒http://www.chuken.gr.jp/

これら2つの試験の違いを簡単に言うと、HSKは全世界で開催されているグローバル基準の資格試験で、実用的なコミュニケーションを想定した内容が出題されます。一方、中国語検定は、より難解な中国語と日本語の翻訳スキルも求められる資格試験です。

HSKと中検の開催スケジュールの違い

HSKと中検は開催日も異なります。具体的にどう違うのかについて説明していきますね。

HSKの年間開催数

開催地にもよるのですが、首都圏では毎月実施されています。

また、会場に行き、そこにあるパソコンで受験をするネット試験もあるのですが、そちらも東京では毎月受験することができます。

HSK紙試験の年間スケジュール:https://www.hskj.jp/schedule/

HSKネット試験の年間スケジュール:https://hskibt.jp/years_schedule/

中国語検定の年間開催数

中検は年に3回(3月・6月・11月)開催

中国語検定の開催スケジュール⇒http://www.chuken.gr.jp/

HSKと中検の受験者数を比較!

ここではHSKと中検の受験者数の推移を紹介します。

HSKの受験者数の推移

HSKの受験者数推移は以下の通りです。直近のデータでは年間30,000人を超えているのがわかります。

  • 2016年:25,904人
  • 2017年:28,643人
  • 2018年:34,018人

以下はHSK公式ホームページから引用したグラフです。

中国語検定の受験者数の推移

中検の受験者数の推移は以下の通りで、こちらはHSKに受験者を持っていかれてるのか、年々受験者数は減少している傾向にあります。

  • 2016年:33,061人
  • 2017年:31,431人
  • 2018年:29,935人

この数字を見ると、2018年にHSKの受験者が中検の受験者を追い抜いていることがわかります。詳しい内訳はわからないのですが、中検は学校などで受験を進められることが多いので、社会人が中国語を学ぶケースが増えて来たという一面もあるかもしれませんね。

HSKと中検の合格の基準の違い

ここからは、HSKと中国語検定の合格の基準を説明します。

HSKは、リスニング・読解・作文の3つのパートがあり、全部で300点満点なんですが、合計が6割(180点)以上取れていれば合格です。

一方で、中国語検定は、リスニングと筆記はそれぞれのパートで合格点に達してはじめて合格になります。中国語検定のリスニングと筆記パートの合格点は、級によって違うのですが、以下の通り合格点は100点満点中、60点から85点です。(中検公式サイトから引用)

リスニングが苦手な日本人からすると、リーディングで点数を稼いでしまえば合格できるHSKの方が難易度は低く感じるかもしれません。

また、中検は日本人がひっかかりやすい内容を熟知した先生方が問題作成をしているので、やはり日本人にとっては難しく感じますね。(私も両方受験経験がありますが、中検の方が構えてしまします。)

HSKと中検の難易度の違い

HSKと中国語検定では、難易度の設定の仕方が違います。

HSKは一番易しいのが1級で、一番難しいのが6級です。一方、中国語検定は、一番易しいのが準4級で、一番難しいのが1級です。

中検の公式サイトに比較表が掲載されていました。私も両方受験していますが、私の感覚ともピッタリで、すごくその通りと思える表なので、こちらに引用掲載しますね。(中検公式サイトから引用)

ちなみに、HSKは最上級の6級でもまだ難易度が足りないということで、2022年から7~9級という、6級よりも更に難しい級を新設する予定のようです。

HSKと中検の受験料の違い

HSKも中検も、易しい級は受験料も安くなっていますが、難しい級は高くなっています。

それぞれの受験料は以下の通りで、だいたい同じくらいの価格帯になってます。

HSKの受験料

  • 1級 3,740円
  • 2級 4,950円
  • 3級 6,160円
  • 4級 7,370円
  • 5級 8,580円
  • 6級 9,790円

中検の受験料

  • 準4級 3,200円
  • 4級 4,200円
  • 3級 5,200円
  • 2級 7,200円
  • 準1級 8,700円
  • 1級 9,700円

結局どっちを受験した方が良いの?

ここまでHSKと中国語検定、それぞれの特徴を説明してきましたが、結局どっちを受験した方が良いかについても説明しますね。

前提条件なしでどちらが良いということは言えず、自分が受験をする目的によってどちらかを選択するのが良いです。

ということで、改めてHSKと中国語検定の役割を整理します。

HSKが向いている人

以下のような人はHSKの受験がおすすめです。

  • 「留学」や「就職」「転職」などでHSKの資格が必要な方
  • 今後グローバルに活躍していきたいと思う方
  • 実用的な中国語の運用力を測りたい方

海外の企業で活躍したい、中国人とコミュニケーションをとりたいと考えている方にはHSKの受験をおすすめします。

HSKは世界基準の資格なので、中国を含む海外で中国語関係の仕事を行うときにはHSKの点数が評価されます。また、HSKは中国が運営している試験で、ネイティブの感覚により近い内容なので、HSKでの高得点は、一定の会話力にもつながると言えます(もちろん、試験の点数を会話力は比例はしませんが)。

中国語検定が向いている人

  • 日本企業で中国語力を示したい方
  • 翻訳家を目指したい方
  • 文法や単語の知識をしっかりと身に付けたい方

日本の企業では中国語を翻訳することができる人を求めていることがあります。

中国語の翻訳には正確な文法や、日本語に訳した時にどういう表現が良いのかということをわかっている必要もあります。こうした理由から、中国語検定を持っていると企業から評価されやすいケースがあります。

また、中国語の翻訳の求人では中国語検定が必須項目として書かれていることもあります。企業ではなく翻訳家として働きたい場合も中国語検定を持っておくといいですね。

私の実体験から感じること

ここからはあくまでもご参考ですが、私も今まで中国語の勉強をしてきていて、今も続けています。HSKは6級合格していますが、かなり前にはなりますが中検の準1級に落ちて以来、中検は受験していません。

仕事で中国語を使うこともあり、辞書なども使いながらではありますが、仕事をこなすことはできていますが、それでも中検は難しいと思っています。なぜかというと、やはり翻訳の力が必要というところです。

中国人の話している言葉を理解して、それに対して自分の考えや意見を中国語で伝えることができても、日本語の翻訳ができるかというそうではないんですね(これは私の日本語力の問題もあるかもしれません…)。

なので、本当に翻訳の必要がある人は中検に向けて勉強をすると実力がつくと思いますし、そうでなくて実務として中国語の運用力を身につけたいのであればHSKが良いかと思います。

HSKと中国語検定に合格するための勉強法


最後に、HSKと中国語検定、どちらを受験するにしても、そのために必要な勉強法も気になると思いますので、ここで紹介しておきます。

どちらの勉強にしても、まずは基礎的な力が必要になるので、基本文法が含まれているテキストを1冊準備して、それを丁寧にやり込んでいきましょう。

具体的には、まず発音をしっかりと身に付けて、その後単語の暗記や文法、リスニングというように進めていくと良いです。

この勉強方法についてはこちらでも詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。

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そのうえで、検定試験の場合はやはり過去問を解くのが良いです。

ただ闇雲に解くのではなく、間違えた問題については何が理由で間違えたのかのポイントをノートなどに残しておくと良いです。

あと、少し面倒ですが、ただ合格を目指すのではなく、本当に実力をつけたいという場合は、正解した問題についても本当に読めるか、聞けるかの確認をしてみてください。

短期集中で中国語力を伸ばしたいという場合

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