HSKとは!試験内容や受験のメリットを解説

中国語を勉強しているとHSKという検定試験の名前をよく聞きますよね。この記事ではHSKとはいったいどんな試験なのか、受験することにメリットがあるのかということについて解説します。

中国語の検定試験には多くの種類があり、どれを受験しようかと悩みますよね。中国語の検定試験の中でも最も認知度が高いのがHSKなので、もし悩んでいる場合にはHSKの受験をおすすめします。

それでは、HSKの特徴や試験内容、中検というもう1つの試験との違いなどについても解説していきます。

HSKとは

HSKとは、中国政府教育部(日本でいう文科省のような機関)の直轄機関が主催している、中国政府公認の中国語能力測定試験です。中国語を母国語としない方々を対象しているため、試験内容だけでなく、運営も全て中国語が使用されています。

中国の経済成長とともに、中国語学習の需要が伸び、HSKの知名度も高まっています。日本におけるHSK受験者も増加しており、今では中国語検定と同等の知名度と言えます。

ここから、HSKの特徴や試験料金、受験時間、受験までの流れを紹介していきます。

HSKの特徴

HSKの大きな特徴は、次の4つです。

  1. 中国語のコミュニケーション・運用能力を測る試験
  2. CEFRという国際基準と合致した試験
  3. 中国政府主催の試験
  4. 世界で最も受験者が多い中国語検定試験

中国語のコミュニケーション・運用能力を測る試験

HSKは、中国での仕事や留学を目的に、中国語の運用能力を測る試験なので、実際に中国で中国語を使うことを想定して作られている試験です。中国語で考えて、中国語で回答ができれば良いということですね。

一方で中検(中国語検定)は中国語を学ぶ日本人向けに行われる試験で、日本語と中国語の「翻訳」力も必要になる試験です。

HSKは中国語を理解し、読解と聴解、作文の能力が試され、試験問題も全て中国語です。中国語検定のように日本語を中国語にするといった問題は無く、試験中は中国語だけで考えれば良いので、そういった意味でも運用能力を試されていると言えます。

中国政府主催の試験

HSKは中国政府教育部が主催しています。そのため、中国語の運用能力を証明するうえで、世界的に最も信頼できるものと言えます。

HSKは世界的に認められている試験で、世界の大学や企業への中国語能力のアピールが可能なので、「将来、中国語を仕事や勉強に活かそうと考えている方」、そして「趣味や楽しみとして取り組んでいる方」もいると思いますが、どういう目的の方も受験をしておくことをおすすめします。

CEFRという国際基準と合致した試験

CEFR(セファール)とはヨーロッパ全体で、外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドラインで、英語ではTOEIC、TOEFLなどがこの指標を用いて評価することが可能となっています。HSKは2010年のリニューアルでCEFRと合致するよう設計されたため、欧米各国の外国語テストとの互換性から難易度の比較がしやすくなっているので、やはり世界的に自分の語学力を証明しやすくなっています。

世界で最も受験者が多い中国語検定試験

HSKは、世界で実施されている中国語の検定試験の中で、最も受験者が多い試験です。世界の875ヶ所以上、118の国と地域で試験が実施されています。また、企業においても、主にグローバル企業ではHSK導入が増えています。

HSKの料金

HSKは、1級から6級の6段階でレベルが分かれています。1級が最も易しく、6級が最も難しく、級の数字が大きくなるにつれて難易度は高く、試験時間は長くなります。

料金も、6級が一番高くなっています。

HSKのレベルごとの料金について、2021年6月現在の情報を表にまとめているのでご確認ください。

料金
1級3,740円
2級4,950円
3級6,160円
4級7,370円
5級8,580円
6級9,790円

(参照元:HSKホームページ 受験料金

HSKの受験時間

HSKの受験時間は、級が上がるほど長くなっていきます。

料金と同じように、階級ごとの受験時間を表にまとめておきます。

試験時間
1級約50分間
2級約65分間
3級約100分間
4級約115分間
5級約135分間
6級約150分間

5級から、試験時間は2時間以上となり、少し長く感じるかもしれませんが、その分難易度も高くなるので、長くて時間が余って大変ということはあまりないかと思います。むしろ、1〜4級の方が内容が基礎的なものなので、試験時間が余ることが多いです。

HSKの受験までの流れ

HSKの受験までの流れは、以下の4つのステップです。

  1. インターネットで試験に申し込む(郵送も可)
  2. 受験料を支払う
  3. 受験票が届く
  4. 受験票に記載されている受験会場に行く

申し込みは、インターネットで簡単に行うことができます。

受験料の支払いが完了すると、指定した住所に受験票が届きます。もし届かない場合は事務局への連絡が必要です。

受験票に顔写真を貼り、記載されている試験会場にいきます。

決済方法

決済方法は、インターネット申し込みの場合、以下の3つの方法から選択できます。

  • クレジットカード
  • コンビニ支払い
  • 楽天ペイ

郵送申し込みは、銀行での支払いのみです。

試験当日の持ち物

試験当日の持ち物として、以下のものを必ず持っていきましょう。

  • 受験票
  • 顔写真
  • 身分証明書
  • 鉛筆
  • 消しゴム
  • 時計

携帯電話を時計として使用することはできないので、普段スマホなどを時計代わりにしている方も、それとは別の時計を持っていくことを忘れないようにしてください。

(参考:HSKホームページ 試験当日の注意点

HSKの試験内容

ここでは、具体的なHSKの試験内容について解説します。

HSKの試験概要

HSKの試験内容は、以下の3部分で構成されています。

  1. リーディング
  2. リスニング
  3. ライティング

HSKにスピーキングはなく、別でHSKK(口試)というスピーキング試験があります。

また、1級と2級にはライティングがないので、リーディングとリスニングの2つのみです。

基本的に全てマーク式で行われますが、作文問題だけは記述式です。

試験の流れ

試験は、以下の流れで行われます。

  1. リスニング
  2. リーディング
  3. ライティング

それぞれの項目で制限時間があるので、制限時間内で各項目の問題を解答する必要があります。そのため、仮にリーディングで時間が余ったとしても、すぐにライティングを解き始めるということはできませんし、リスニングに戻って解き直すということも禁止されています。

受験会場の受付

受付は、試験開始の20分前から始まります。

HSKは「1級、3級、5級」と「2級、4級、6級」の開始時間が午後と午前で分けられているので、1日で2つのレベルの試験を同時に受けることができます。

自分の受験する級の時間を確認し、余裕をもって試験会場に向かうようにしましょう。

できれば1時間前には会場近くについて、場所を確認したうえでカフェなどで勉強しておくと安心です。

各レベルの紹介

ここからは、1〜6級までの試験の難易度と、各級の対象者を紹介します。

どの級を受験しようかなという時に参考にしてみてください。

1級

HSK1級は「中国語の非常に簡単な単語とフレーズを理解、使用することができ、具体的なコミュニケーションを行うことができる。中国語学習するための基礎能力も備えていること」が求められます。

中国語を始めたばかりの方は、力試しに1級から受験をしてもいいですが、日本人は漢字がわかるという点で他の国の学習者とはスタートラインが異なるので、1級は受けずに2級から受けても良いです。

受験対象者となる目安は、150語程度の常用単語と文法知識を習得していることです。

具体的な試験内容は以下の通りです。

聞き取り:約15分間(放送回数2回)
パート形式問題内容問題数
第1部分正誤判断の問題短いフレーズが放送され、その内容が写真の内容と一致するかを判断する。5題
第2部分写真を選択する問題短文が放送され、3枚の写真の中から短文の内容と一致するものを選ぶ。5題
第3部分写真を選択する問題短い会話文が放送され、数枚の写真の中から会話の内容と一致するものを選ぶ。5題
第4部分短文の内容に関する問題短文と、その内容に関する問いが放送され、問いの答えとしてふさわしいものを3つの選択肢の中から選ぶ。5題
読解:17分
パート形式問題内容問題数
第1部分正誤判断の問題写真と単語が与えられており、写真の内容と単語の意味が一致するかを判断する。5題
第2部分写真を選択する問題短文が与えられており、数枚の写真の中から、短文の内容と一致するものを選ぶ。5題
第3部分疑問文の答えを選択する問題5つの質問文と5つの返答が与えられており、疑問文と返答の内容が対応するものを選ぶ。5題
第4部分空所補充問題文中の空所部分に、選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。5題
  • 聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として3分間与えられます。

(引用元:HSK 各級の紹介1級

2級

HSK2級は「身近な日常生活の話題について簡単で直接的な交流ができ、初級中国語の上位レベルに達していること」が求められます。

受験対象者の目安は、300語程度の常用単語と文法知識を習得していることです。

試験内容は以下の通りです。

聞き取り:約25分間(放送回数2回)
パート形式問題内容問題数
第1部分正誤判断の問題短文が放送され、その内容が写真の内容と一致するかどうかを判断する。10題
第2部分写真を選択する問題短い会話が放送され、数枚の写真の中から内容が一致するものを選ぶ。10題
第3部分会話の内容に関する問題2人の短い会話とその内容に関する問いが放送され、問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。10題
第4部分会話の内容に関する問題2人のやや長い会話とその会話の内容に関する問いが放送され、問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。5題
読解:22分
パート形式問題内容問題数
第1部分写真を選択する問題短文が与えられており、数枚の写真の中から、短文の内容と一致するものを選ぶ。5題
第2部分空所補充問題文中の空所部分に、選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。5題
第3部分正誤判断の問題2つの短文が与えられており、短文の内容が一致するかを判断する。5題
第4部分空所補充問題文中の空所部分に、選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。10題
  • 聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として3分間与えられます。

(引用元:HSK 各級の紹介2級

3級

HSK3級は「中国語を使って、生活、学習、仕事等における基本的なコミュニケーションができる。中国旅行の時も大多数の場合において中国語で対応することができること」が求められます。

受験は、600語程度の常用単語と文法知識を習得している者を対象としています。

具体的な試験内容は以下の通りです。

聞き取り:約35分間(放送回数2回)
パート形式問題内容問題数
第1部分写真を選択する問題短い会話が放送され、数枚の写真から内容が一致するものを選ぶ。10題
第2部分正誤判断の問題短文が放送され、その内容と、問題用紙に与えられた短文の内容が一致するかを判断する。10題
第3部分会話の内容に関する問題2人の短い会話とその内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。10題
第4部分会話の内容に関する問題2人のやや長い会話とその会話の内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。10題
読解:30分
パート形式問題内容問題数
第1部分関係のある文を組み合わせる問題与えられた短文に対し、関連(対応)する文を選択肢の中から選び、組み合わせる。10題
第2部分空所補充問題文中の空所部分に、選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。10題
第3部分文の内容に関する問題短文とその内容に関する問いが与えられており、問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。10題
作文:15分
パート形式問題内容問題数
第1部分語句の並べ替え問題与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る。5題
第2部分空所補充問題文の意味を理解して、文中の空所に当てはまる漢字を書く。5題
  • 聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。

(引用元:HSK 各級の紹介3級

4級

HSK4級は、「幅広い範囲にわたる話題について、中国語でコミュニケーションをすることができ、中国語を母語とする者と流ちょうに話すことができること」が求められます。

文法的な難易度が少し上がるため、基礎固めができてきたかなという時に受験すると良いです。

受験対象となる目安は、1200語程度の常用単語と文法知識を習得していることです。

具体的な試験内容は以下の通りです。

聞き取り:約30分間(放送回数1回)
パート形式問題内容問題数
第1部分正誤判断の問題短文が放送され、その内容と、問題用紙に与えられた短文の内容が一致するかを判断する。10題
第2部分会話の内容に関する問題2人の短い会話とその内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選ぶ。15題
第3部分会話や短文の内容に関する問題2人の会話や短文と、その内容に関する1~2つの問いが放送される。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選ぶ。20題
読解:40分
パート形式問題内容問題数
第1部分空所補充問題文中の空所部分に、4つの選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。10題
第2部分短文の並べ替え問題与えられた3つの短文を並び替えて正しい文を作る。10題
第3部分文の内容に関する問題短文とその内容に関する問いが与えられており、問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選ぶ。20題
作文:25分
パート形式問題内容問題数
第1部分語句の並べ替え問題与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る。10題
第2部分作文問題写真と単語が1つずつ与えられ、その単語を使って写真の内容を表現する。5題
  • 聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。

(引用元:HSK 各級の紹介4級

5級

HSK5級は、「中国語の新聞や雑誌が読めるだけでなく、中国の映画やテレビも観賞でき、さらに、中国語でスピーチすることができること」が求められます。

5級からは文法問題に加え、より実践的な運用能力が求められるため、難易度が一気に上がります。

学習の目安は、主に週2~4回の授業を2年間以上習い、2,500語程度の常用単語を習得することです。

具体的な試験内容は以下の通りです。

聞き取り:約30分間(放送回数1回)
パート形式問題内容問題数
第1部分会話の内容に関する問題2人の短い会話とその内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選ぶ。20題
第2部分会話や文の内容に関する問題まとまった長さの会話や問題文と、その内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢から選ぶ。25題
読解:45分
パート形式問題内容問題数
第1部分空所補充問題文中の空所部分に、4つの選択肢から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。15題
第2部分文の内容に関する問題短文が与えられており、その内容と一致するものを4つの選択肢から選ぶ。10題
第3部分長文読解問題長文とその内容に関する複数の問いが与えられており、問いの答えとして正しいものをそれぞれ4つの選択肢から選ぶ。20題
作文:40分
パート形式問題内容問題数
第1部分語句の並べ替え問題与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る。8題
第2部分作文問題(1)単語が与えられ、その単語を使って80字程度の中国語文を作る。 (2)写真が与えられ、80字程度で写真に関する中国語文を作る。各1題
  • 聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。

(引用元:HSK 各級の紹介5級

6級

HSK6級は「中国語の音声情報や文字情報を不自由なく理解することができ、自分の意見や見解を流暢な中国語で口頭または書面にて表現することができること」が求められます。

HSK6級まで到達できれば、中国での日常生活で困ることはかなり少なくなってきます。

主に5,000語かそれ以上の常用単語を習得している方が、受験対象です。

具体的な試験内容は以下の通りです。

聞き取り:約35分間(放送回数1回)
パート形式問題内容問題数
第1部分文の内容に関する問題短文が放送され、その内容と一致するものを4つの選択肢から選ぶ。15題
第2部分会話の内容に関する問題2人の短い会話とその内容に関する複数の問いが放送される。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選ぶ。15題
第3部分長文の内容に関する問題まとまった長さの問題文と、その内容に関する複数の問いが放送される。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢から選ぶ。20題
読解:50分
パート形式問題内容問題数
第1部分誤りのある文を選択する問題語句や文法上の間違いがある文を4つの選択肢から選ぶ。10題
第2部分空所補充問題文中の空所部分に、4つの選択肢から適切な単語の組み合わせを補い、意味の通る文を作る。10題
第3部分空所補充問題長文中の空所部分に5つの選択肢からそれぞれ1つずつ適切な文を補い、意味の通る文章を作る。10題
第4部分長文読解問題長文とその内容に関する複数の問いが与えられており、問いの答えとして正しいものをそれぞれ4つの選択肢から選ぶ。20題
作文:問題黙読10分間・作文35分間
パート形式問題内容問題数
 作文問題与えられた文章を読み、400字程度で要約する。1題
  • 聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。

(引用元:HSK 各級の紹介6級

各級のまとめ

各級で求められる能力や、各級の受験対象者ををまとめたものが以下の表です。

試験の程度語彙量の目安
6級中国語の情報をスムーズに読んだり聞いたりすることができ、会話や文章により、自分の見解を流暢に表現することができる。5000語以上の常用中国語単語
5級中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞することができ、中国語を用いて比較的整ったスピーチを行うことができる。2500語程度の常用中国語単語
4級中国語を用いて広範囲の話題について会話ができ、中国語を母国語とする相手と比較的流暢にコミュニケーションをとることができる。1200語程度の常用中国語単語
3級生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できる。600語程度の基礎常用中国語及びそれに相応する文法知識
2級中国語を用いた簡単な日常会話を行うことができ、初級中国語優秀レベルに到達している。大学の第二外国語における第一年度履修程度。300語程度の基礎常用中国語及びそれに相応する文法知識
1級中国語の非常に簡単な単語とフレーズを理解、使用することができる。大学の第二外国語における第一年度前期履修程度。150語程度の基礎常用中国語及びそれに相応する文法知識

(引用元:HSKホームページ 各級の紹介

HSKK(口頭試験)について

HSKには、HSKKというスピーキングの試験もあります。

ただ、留学や就職条件としてこのHSKKの合格を求められることは多くありません。

試験回数も、筆記(HSK)と比べると少なくなっています。

HSKの口頭試験は、受験者の中国語運用能力、その中でもスピーキングの能力を確認するための試験で、レベルは以下の3つに分かれています。

  • 初級
  • 中級
  • 高級

詳細は以下の通りです。

試験の程度語彙量の目安
高級中国語全般にわたる高度な運用能力を有し、流暢に自分の意見を表現することができる。週に2~3時間の中国語学習を2年以上行った学習者に適している。3000語前後の一般常用語彙及びそれに相応する文法知識
中級中国語を母国語とする人たちと流暢に会話をすることができる。週に2~3時間の中国語学習を2年程度行った学習者に適している。900語前後の一般常用語彙及びそれに相応する文法知識
初級中国語の基本的な日常会話を行うことができる。週に2~3時間の中国語学習を半年から1年程度行った学習者に適している。200語前後の日常生活語彙及びそれに相当する文法的知識

(引用元:HSKホームページ 各級の紹介

HSKKの初級の試験内容を掲載しますので、受験するかどうかという検討の参考にしてもらえればと思います。

HSK口試(初級):約17分間(放送回数1回)
パート形式問題内容問題数時間
第1部分復唱放送を聴いて、その文章を復唱する。15題4分
第2部分聞き取り質問を聴いた後、それについて端的に答える。10題3分
 (準備時間)(第3部分に対する解答の準備) 7分
第3部分読み取り問題用紙に書かれた2つの質問(ピンイン付記)に対して回答する。5語以上の言葉を使って答えること。2題3分

●試験開始の前に、口試受験カードに個人情報を記入する時間が与えられます。
●放送開始後、姓名・国籍・受験番号を質問する音声が流れるので、それぞれに返答(録音)してください。
●受験番号を質問する音声が流れるので、返答(録音)してください。
●第3部分開始の前に、準備時間(解答する内容を受験生が考える時間)が7分間与えられます。
●試験時間中には問題用紙に自由にメモを取ることが可能です。
●録音機器の操作については別途提示される説明資料を参照してください。

(引用元:HSKホームページ 各級の紹介HSKK口試初級

HSKを受けるメリットとは

ここまでHSKの概要について説明してきましたが、HSKを受けるとどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリットはたくさんありますが、ここでは以下の4つを紹介します。

  1. 中国の大学に留学できる
  2. 就職・転職で有利になる
  3. ビジネスでの中国語運用能力の証明になる
  4. 勉強の道しるべになる

中国の大学に留学できる

中国の大学に留学する場合、必ずといっていいほどHSKの取得を求められます。

基本的には4級以上が求められ、北京大学や清華大学など、いわゆる一流の大学に行くには、5級以上のハイスコアが求められます。

直近で中国への留学を考えていなくても、留学したいと思ったときのためにHSKを取得しておくのも良いかと思います。

就職・転職で有利になる

HSKは、日本のグローバル企業で導入されていることが多いす。また経済発展に伴い中国の存在感が増している今、中国語人材を求めている企業も増加傾向にあります。

そんな中、HSKに合格しておくことは、就職や転職の際の大きなアピールポイントになります。特にすでにビジネススキルを持っている方であれば、そのスキルに加えて中国語ができるという証明ができるので、より強い武器として役立てられます。

ビジネスでの中国語運用能力の証明になる

就職や転職に有利なのは、日本国内だけではなく、HSKに合格して中国語能力を証明することができると、海外の企業へも転職できる可能性があります。また、業務において実際に中国語を使う力を求められる場面も増えているので、そうした業務にアサインされるためにHSKに合格しておくということは有効です。

勉強の道しるべになる

検定試験と実際の運用能力は比例しないと言われることもあり、そうしたこともあるかと思いますが、中国語を勉強する際に、やみくもに進めてしまうと自分が今どこにいるのかがわからなくなってしまうので、中国語の勉強をするにあたり、HSKを1つの目標・基準とすると、今自分が足りない力などがわかるので、勉強のしやすさが格段に上がります。

中国語検定との違い

中検(中国語検定)とは、日本国内で実施されている中国語能力検定試験の1つです。

HSKと中検、これら2つの情報があるので、混乱してしまうことがあるので、ここではHSKと中検(中国語検定)の違い、以下の4つを解説します。

  1. 受験対象者
  2. 主催団体
  3. 中国での就労時の能力証明
  4. 合格に求められる能力

受験対象者

HSKの受験対象者は、中国語を母国語としない全世界の人たちです。

一方、中国語検定は、日本語を母国語とする人を対象としています。

なので、中検は中国の大学への留学や中国企業への転職での証明には効力を発揮しません。

ただ、日本国内において中国語検定の知名度は高いので、日本企業ではHSKよりも評価されることもあります。

主催団体

HSKが中国政府教育部という、中国政府に関係の強い組織によって運営されているのに対して、中国語検定は日本の一般財団法人である日本中国語検定協会が主催しています。

中国語検定は、日本人による日本の受験者のための試験なので、試験中の案内なども日本語で行われます。

中国での就労時の能力証明

HSKは、中国での就労ビザの要件になっています。つまり、中国語能力の正式な証明として、HSKを使用できるのですが、中国語検定はあくまでも日本国内だけで完結している検定試験なので、中国での就労時の能力証明としては使うことができません。

合格に求められる能力

HSKが求めている能力は、中国語の運用能力なので、どれだけ中国語で考え、中国語で回答できるかというところです。

一方、中国語検定は日本語と中国語の「翻訳能力」も求められます。

そのため、中国語検定の問題には日本語から中国語へ、中国語から日本語へ訳す問題が多数あります。

まとめ

HSKは世界的に認められている、中国語能力を証明するための検定試験で、HSKを取得することで、中国の大学への留学や、中国での就労が実現できる可能性が高まります。

もし中国語を勉強しているなら、ぜひ一つの目標としてHSKを活用することを検討してみてください。

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