中国語初心者でも独学で確実に効果が出る勉強法を徹底解説

中国語は日本語と同じように漢字を使っているので、他の外国語と比べると理解がしやすいとも言われますが、発音などが難しいので独学ができないと感じている方も多いかもしれません。ただ、独学でも半年程度でも、一生懸命勉強することで、簡単な自己紹介ができるレベルに到達することは可能です。

日本語とは全くことなる発音や漢字、音の高低差による意味の区別があったりと、日本語とは異なる特徴も多いので、独学するためにはその方法がとても重要になります。

この記事では、ゼロから中国語を始める初心者の方でも、そうしたことをしっかりとクリアし、確実に効果を出すことができる独学の方法をお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

中国語をゼロから始めるときの勉強の流れ

まずは発音・文字の読み方(ピンイン・声調)から学んでいく

ゼロから中国語の勉強を始める場合、以下の流れでやっていくのがおすすめです。

まず一番最初に発音(漢字の読み方)の勉強をします。なぜかというと、中国語は発音が非常に重要で、同じ漢字の読み方(ピンイン)であっても音の高低差(声調)が違うと、それだけで全く別の意味になってしまうという言葉だからです。

 
ピンイン・声調とは?

・ピンイン:
中国語(漢字)の発音をアルファベットで表した発音記号のことです。
・声調:漢字一つひとつに決められている音の高低差のことです。高低差のパターンが4種類あるので「四声(しせい)」とも呼ばれます。

ピンインが同じでも、声調が異なると全く違う意味になってしまいます。

例えばですが、「ma」を3声で発音すると「馬」という意味に、4声では「罵る」という全く別の意味になります。
※台湾ではピンインではなく注音記号という別の表記方法が主に使われています。

 

日本語でも「雨」と「飴」など、イントネーションが変わることで意味が変わる単語があります。ただ、日本語の場合は2つ以上の音の間での高低差、つまり「あ」という音と「め」という音の高低差により意味が変わりますが、中国語は1つの音の中で高低差があるという違いがあります。

こうした読み方(発音)の基礎が無いまま進めてしまうと、今後トレーニングを続けていても、結局聴けない、話せないとなってしまい、いつまでたっても使える中国語が身につかなくなってしまうので、最初に発音を身につけておきましょう。

単語・簡体字を学ぶ

次に学ぶのは単語・簡体字です。単語は文を構成するパーツなので、リスニングやスピーキングでも必ず必要になる基礎力の1つです。また、中国語単語は基本的には全て漢字で書かれますが、主に中国大陸で使用しているのは「簡体字」という漢字で、日本で使用している漢字とは形が異なるものも多いです。その他、日本語と同じ文字の単語なのに、その意味が日本語の意味とは全くことなるというものも存在します。この簡体字というのは日本の漢字よりもシンプルに作られているものが多いので、難しく考え過ぎずに、1つずつ覚えていきましょう。

簡体字って何?

 

1950年代に中華人民共和国で制定された、従来の漢字を簡略化した字で、主に中国大陸で使用されています。台湾や香港では簡体字ではなく繁体字という漢字が使われています。発音(ピンインと声調)を理解した後、単語・簡体字を覚えて音・文字・意味の3つを一致させていきましょう。

 

基本文法→リスニング・会話

発音を理解して、単語・簡体字をある程度覚えたら、基本文法を身につけるようにしましょう。単語は文を作るパーツですが、基本文法は型になる部分です。

初級のテキストを1冊準備して、その中の文法項目を読んで理解していけば良いのですが、中国語の場合は特にその語順が重要なので、ただなんとなく理解するのではなく、最初に主語が来て、その後動詞、そして目的語が続くんだなと、特に語順とその役割を意識して覚えると良いです。私は英語学習の経験がありますが、そういう方は英語との違いを感じながら学ぶのも良いです。(中国語は文法が英語と同じと言われることがありますが、時間や場所を表す言葉の位置などは異なり、結構違います)

「まずは簡単な自己紹介はできるように!」という場合、目標をHSK3級レベルとしましょう。HSK3級レベルを目指す効果的な学習手順はこの後解説していきます。

初歩レベルでの効果的な学習手順

ここでは、HSK3級レベルを目指すための効果的な独学手順を解説します。

前述の通りですが、ゼロから中国語を学ぶ場合には最初に発音を学び、単語(含.簡体字)、文法という流れで進めていくと効率が良いです。

語学の力には「読む・聴く・書く・話す」という4技能があるのですが、漢字の恩恵もあり、日本人にとって読むというのは比較的容易なので、これをサッと終えてから聴く→話す書く、という順にすすめていくと良いです。なぜかというと話す書くというのは自分で文章を作り出す力が必要で、これは結構高度な力だからです。

つまり「発音」&「読む」→「聞く」→「書く」&「話す」の順に進めていきます。

では、ここからHSK3級レベルに到達するための方法を細かく確認していきましょう。

HSK3級ってどれくらいのレベル?

一般的にHSK3級というのはどれくらいのレベルなのでしょうか?HSK公式のページでは以下の通り定義付けられていてます。実際のレベル感としては、自己紹介や簡単な買い物などができるレベルと考えるとわかりやすいと思います。

“生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できる。”HSK公式サイト(http://www.hskj.jp/)より引用

「発音」&「読む」勉強法

ネイティブの子供が語学を身につけていく過程では、「読む」よりも先に「聴く・話す」という力を身につけていくことになるのですが、今まで中国語に触れたことが無い日本人が、ネイティブの子供と同じように学ぶのは効率が悪いので、まずは正確に「読む」ことを目指します。これは、正確に読むことができない状態でどんなにたくさんの中国語聴いても、正確に聴けるようにはならないためです。ただ、「読む」と言っても最初に発音(ピンイン・声調)を理解しているので、日本語読みしないように、音読しながら「読む」ことは絶対に必要です。

テキスト選びは何でも良いのですが、初級のもので、デザインなども含めて相性の良さそうなものを選ぶようにしましょう。

初級のテキストであれば、「単母音・複母音・子音・鼻母音」の発音練習のパートが最初にあるはずです(そういう本を選ぶようにしましょう)。これらを1日の中で時間を分けて、毎日2時間ほど、1週間程度集中して練習しましょう。

その後、テキストの中で章分けされて文法事項が順に説明されているはずなので、それらを読み込んで理解しましょう。特に各章の例文を何度も読みながら、その語順などを意識することが大切です。

「聞く」勉強法

しっかり「読む」とこができたら、次は「聞く」ことに注力をしていきます。よく「言えない音は聞こえない」なんて言いますが、聞くためには音読が必要です。まずは正しい音を集中して聞いて、それを真似するように音読しましょう。シャドーイングといって、音源に続いて音読するようなトレーニングもありますが、最初は正しい音をしっかり聞くということが大切なので、シャドーイングではなく、聞いた後に真似をする方が良いです。

その後に听写(ディクテーション)といって、聞いた音を文字起こしするということをやると、自分がちゃんと聞こえているのかのテストもできるので、試してみてください。

「書く」&「話す」勉強法

「書く」「話す」は一緒にして説明します。なぜかというと、これら2つはどちらも自分で文章を組み立てるという共通項があるからです。

どのテキストにも日本語例文と中国語訳がついているかと思いますので、その日本語の方を見て、中国語に訳せるかを確認しましょう。まずは中国語訳を書き出すというのも良い方法です。そして、正確に書き出すことができれば、次に書くのではなく、言えるかどうかを確認しましょう。ここで発音を忘れてしまっていたものがあればそれも覚えなおしていきます。

これはここまで覚えてきた単語や文法の知識を使って少し実践に近づくというトレーニングです。ここまで丁寧に取り組めればもうHSK3級合格には十分な実力がつきます。

レベル別の中国語勉強法

ここからは目標レベルに合わせた独学でできる勉強法を解説していきます。

初心者が初級を目指す(HSK1~2級→HSK4級レベル)勉強法

すこし勉強を始めた方がHSK4級レベルを目指すための勉強方法です。

HSK4級までは引き続き文法のメインのテキストを使用すると良いです。もし最初に購入したテキストの続編や応用編などがある場合はそちらを入手して、前述の通り「発音」&「読む」→「聞く」→「書く」&「話す」の順にで勉強していきます。試験前には必ず過去問を購入して、教材をメインのテキストから過去問に変えて同じように取り組みましょう。過去問は解いて満足してしまわずに、間違えた箇所をしっかり復習することがポイントです。

また、これとは別に単語もHSK1級レベルからはじめて、4級の単語まで覚えていきましょう。覚える時には必ず声に出して覚えましょう。これは単語帳を使用しても良いですし、今はアプリで覚えるのもおすすめです。

必要な勉強時間についてですが、1200語程度の常用単語と文法知識を習得している者を対象としていて、大学の第二外国語で学んだ場合は2年程度といわれてるので、週に2回、毎回1時間の授業を受けるようなケースを想定すると、ザっと192時間必要という計算です。未経験の人が勉強をはじめたとして、毎日1時間勉強したら約半年というところです。

初級の人が中級を目指す(HSK4級→HSK5級レベル)勉強法

ここではHSK4級レベルの人が5級レベルを目指すための勉強法を解説します。

HSK4級も高得点を取るのはかなり難しいのですが、5級になるとまた1つ壁があります。

まず単語については引き続き単語帳やアプリを使って覚えていきます。語彙力はこの段階ではまだまだ日常会話でも使用するレベルのものが多いので、必ず自分の武器になります。場合によっては単語で乗り切れることも結構ありますからね。

そして、その他の勉強についてですが、HSK5級では今までよりも長くまとまった文章を読めることも求められるので、この段階で一度体系的な文法書を読んでおくと良いです。

そのうえで過去問を使いリスニングとリーディングの練習を行いましょう。5級はレベルが高いですが、それでもメインに過去問を使い勉強することが可能です。

中級の人が上級を目指す(HSK5級→HSK6級レベル)勉強法

ここではHSK5級レベルの人が6級レベルを目指すための勉強法を解説します。

語彙力

HSK6級では成語と呼ばれる四字熟語もたくさん覚えておく必要があります。引き続きHSK6級用の単語帳などを使っても良いですし、成語を覚えるためのテキストを別で用意しても効果があります。また、最近ではHSK6級の単語を文章の中で覚えるという面白いコンセプトのテキストもあるので、自分の好みに合わせて選んでみてください。

リーディング・リスニング

リーディングとリスニングについては5級と同じように過去問を使って勉強しましょう。ただ、もし5級合格後にすぐ6級に行くには難しすぎるという場合には、5級の時と同様に1冊体系的な文法書を読んだり、トレーニング用のテキストを読んでから過去問に入りましょう。

作文

6級では作文課題がありますが、中国語の長文を読んで、それを要約するというものなので、長文を読む練習、そしてそれを要約する練習が必要なので、これも過去問の中の長文を使い、実際に要約をしてみましょう。これは作文添削をしてもらえるのが一番良いですが、独学の場合は相互学習のアプリなどを使えば簡単な添削であれば無料でしてもらえることもあります。相互学習なので、その場合は日本語を勉強している人の添削もしてあげると良いですね。

中国語を効果的に勉強する方法

テキストや単語帳が手元にないときも中国語を学びたいという場合、どんな方法があるかについて紹介します。体系的な勉強方法についてはここまでで説明してきているので、これらは勉強の合間の補助として考えると良いです。

・スマホに入れられるものはスマホに入れる
・映画やドラマ、YouTubeといった動画で学ぶ
・アプリで学ぶ

スマホに入れられるものはスマホに入れる

今はいつでもスマホを持って歩いていると思いますので、スマホの中に入れられる教材は入れてしまいましょう。

・kindleなどの電子書籍を購入していつでも読めるようにする
・教材の直近勉強しているところだけ写真にとっておく

これらはすぐにでもできるので、ためしてみてください。

映画やドラマ、YouTubeといった動画で学ぶ

中国映画やドラマ、YouTube動画などの動画で中国語を学ぶことも可能です。YouTubeにはネイティブによる自然な会話を学ぶものから、日本人が勉強方法を解説してくれているものもあるので、これも好みに合わせて気軽に見てみましょう。

ここではおすすめの映画やドラマ、YouTube動画を紹介します。

映画「赤壁」

これは邦題「レッドクリフ」として日本でも有名な映画で、三国志の赤壁の戦いが舞台となっています。歴史や時代劇などはドラマだとすごく長く、ちょっと気楽には見れないのですが、映画であれば比較的時間も短いので見やすいのでハードルが下がります。こうした映画で中国語だけでなく中国の文化なども一緒に学ぶと良いです。

テレビドラマ「上海女子図鑑」

地方から出てきた女の子が上海という大都会で理想に向けて奮闘する姿を描いたドラマです。日本語の東京女子図鑑や東京男子図鑑もあり、中国版では北京女子図鑑もあります。各都市独特の雰囲気などもわかるので、上海に行く機会がある方は街の雰囲気を楽しむという目的でも見てみると良いかと思います。

YouTubeチャンネル

李姉妹ch:日本育ちの中国人姉妹と楽しく中国語を学ぶことができるチャンネルです

中国語学習用アプリで学ぶ

最初にスマホに入れられるものはいれてしまうという方法をおつたえしましたが、アプリを入れておけばいつでも学ぶことができますね。

語学プレーヤー

NHK出版が提供している音源再生プレーヤーで、倍速再生や区間リピート(AB間リピート)などの機能があり、語学学習に最適化されています。外部の音源を取り込んで再生することが可能なので、無料で使うことができます。

語学プレーヤー〈NHK出版〉(Apple Store)

LearnChinese

中国政府の教育部などが監修している中国語学習のアプリです。シチュエーションごとの単語や会話文、中国古典、成語などを音声付きで学ぶことができます。こちらも無料で利用できます。

LearnChinese(Google Play)

【本気で学びたい人向け】独学以外の方法

ここまでは中国語を独学するための勉強法を解説してきましたが、中国語を学ぶには独学以外の方法もあります。

  1. コーチをつけて勉強する
  2. 語学留学をする
  3. 中国語学校や教室に通う
  4. オンラインレッスンを受ける

まとめ

この記事の内容をまとめます。

■中国語は「発音→単語・簡体字→基本文法→リスニング・会話」の順に学ぶ

■単語と基本文法は最初にインプットして、その後自分で文章を組み立てる「書く・話す」に移る

■補助的に映画やYouTubeなどで中国語に触れるのも効果的

語学学習は続けることが大切です。筋トレのようにやっただけ身に付きます。まずは1つメインのテキストを購入して勉強をスタートしてみましょう。

「独学だとやり方がわからない」「勉強を続ける自信がない」という方は中国語コーチングなど、勉強方法を教えてくれるような教室もあります。

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